図形の移動 第53問 (東大寺学園中学 入試問題 2014年(平成26年度) 算数)
問題 (東大寺学園中学 入試問題 2014年 算数)
難易度★★★★
下の図1のような三角形ABC と半径1cm の円P があります。
円Pを三角形ABC の辺に沿って離れることなく、その内部を
一周させると、三角形ABC の内部で円P が通らなかった
部分は、頂点A,B,C の近くと中央の三角形DEF の合わせて
4つあり、その面積は全部で 47.86c㎡ でした。次に、円Pを
三角形DEF の辺に沿って離れることなく、その外側を一周させた
ところ、三角形ABC の内部で円P が通らなかった部分の面積
は全部で 53.44c㎡ でした。このとき、次の問に答えなさい。
(1)(ア)三角形ABC の内側を一周させたときに、円Pが
通らなかった4つの部分のうち、頂点A の近くの
部分を下の図2に表しなさい。
(1)(イ)三角形DEF の外側を一周させたときに、円Pが
通らなかった4つの部分のうち、頂点A の近くの
部分を下の図3に表しなさい。
(2)三角形DEF の面積を求めなさい。
(3)三角形ABC の周りの長さは、三角形DEF の周りの長さに
比べて、どれだけ長いですか。
----------------------------------------------
----------------------------------------------
解答
(1)三角形ABC の内側を円P が動くとき、頂点A の近くでは
下の図4のように、辺DE、DF を延ばした線にはさまれる形で
円Pが動き、円P が通らない部分は、図4の青い部分となります。
(1)(イ)三角形DEF の外側を円P が動くとき、頂点A の近く
では、下の図5のように、Dを中心に、円Pの直径を半径として
動き、円P が通らない部分は、図5の赤い部分となります。
(2)図4と図5で表したのと同様に、頂点B,頂点C の近くで
点Pが通らない部分があります。それらをまとめると、
三角形ABC の内側を一周させたときは、下の図6
三角形DEF の外側を一周させたときは、下の図7
のように、通らない部分を集めることができます。
図6の円は、円Pで、半径が1、図7の円は、半径が2です。
図6と図7は、相似で、相似比が 1:2 ということになり、
その面積比は、 1×1 : 2×2 = 1 : 4 となります。
つまり、青い部分と赤い部分の面積比が 1 : 4 です。
円P を2通りで動かしたときの面積の差
53.44-47.86=5.58
が、面積比の差の 3 に相当するので、
青い部分の面積は、5.58÷3=1.86c㎡
赤い部分の面積は、1.86×4=7.44c㎡
とわかり、三角形DEF の面積は、
47.86-1.86=46c㎡
と求められます。
(3)三角形DEF の周の長さは、下の図8の黒い太線の長さ
なので、三角形ABC と三角形DEF の周りの長さの差は、
図7の三角形の周りの長さと等しいことがわかります。
図7の三角形は、下の図9のように、円の中心をOとすると、
3つの三角形OLM,OMN,OLN に分けることができます。
また、Oから3辺LM,MN,NLに垂線OQ,OR,OS を
下ろすと、それぞれの長さは2cmです。
図9の赤い部分の面積は、(2)より、7.44c㎡ で、
円の面積は、2×2×3.14=12.56c㎡ なので、
三角形LMNの面積は、7.44+12.56=20c㎡ です。
三角形LMNの面積は、OQ=OR=OS=2cm より、
LM×2÷2+MN×2÷2+NL×2÷2
=LM+MN+NL=20
となるので、三角形LMNの周りの長さは、20cm です。
よって、三角形ABC の周りの長さは、三角形DEF の周りの
長さに比べて、20cm 長いです。
東大寺学園中学の他の問題は → こちら
| 固定リンク
コメント
おせわになります。
図形の移動 第53問 (東大寺学園中学 入試問題 2014年(平成26年度) 算数
について、回答を載せていただき、ありがとうございました。
大変助かりました。
今後、よろしくおねがいします。
投稿: しょう | 2014年2月24日 (月) 00時07分
今年の東大寺学園中学の問題は難しいですね
(;´Д`A ```
投稿: 桜組 | 2014年3月 8日 (土) 22時18分