立体図形の切り口 第57問 (開成中学 受験問題 2011年(平成23年度) 算数)
問題 (開成中学 受験問題 2011年 算数) 難易度★★★★
下の図1のような 1辺が 12cmの立方体があります。辺AD上に
点P と点S が、辺AB上に点Qが、辺BF上に点Rが、辺FG上に
点Tがあり、AP=3cm、AS=AQ=BR=FT=6cmです。
この立方体を3点P,Q,R を通る平面、および3点S,B,T を
通る平面で切ります。下の図1には、切るときの様子の一部分を
正確ではありませんが描かれています。このとき、次の問に
答えなさい。
(1)この立方体を3点P,Q,R を通る平面によって切ったとき
立方体の表面にできる切り口を下の展開図2に実線で、
3点S,B,T を通る平面によって切ったとき立方体の表面に
できる切り口を点線で、すべて描き入れなさい。
(2)2つの平面で切ったときにできた 3つの立体のうち、頂点A
を含む立体X 、および頂点A も頂点C も含まない立体 Y
の体積をそれぞれ求めなさい。なお、三角すいの体積は、
底面の三角形の面積 × 高さ ÷ 3 で求めることが
できます。
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解答
(1)まず、立方体上の切り口について考えましょう。
図1のP→Q→R の線の先について考えます。下の図3のように
点P を通り、平面ABFE と平行な平面PUVW を描くと、
この切り口は、点PからQRと平行な線になっているので、
ちょうど、点V を通ることがわかります。(三角形BQR と
三角形UPV が相似で、BQ:BR=UP:UV=1:1)
よって、切り口は、点Rと点Vを結ぶ線となって表すことができ、
続いて、点VからPQと平行な線を下の図4のように平面EFGH上
に引けば、その線が切り口になります。
この際、三角形APQ を三角形WXV が相似となるように線を
引きます。すなわち、AP : AQ = WX : WV = 1:2 です。
WV=12cmなので、WX=6cmです。
最後に、点P と点X は同じ平面上にあるので、線で結んで
下の図5の太線が、切り口となります。
次に、3点S,B,T を通る平面で立方体を切ったときを考えると、
下の図6のように、点SからBTと平行な線を、点TからBSと平行
な線を引くと、共に頂点Hで交わり、この太線が切り口です。
次に、図2の展開図に各頂点を書き込むと、下の図7のように
なります。
ここに、図5、図6の切り口を書き込むと、下の図8になります。
(2)図5と図6を重ねて描くと、下の図9のようになります。
立体X は、頂点A を含む立体なので、黒線の平面より頂点A側
の部分で、立体Y は、黒線の平面と赤線の平面にはさまれた
部分ということになります。
まず、立体X と立体Y の合計の体積は、面ABFE を底面と見た
切断四角柱ABFE-THS の体積として求めることができ、
切断四角柱の高さは、高さの平均で、この場合 6cm より、
立体X と立体Y の合計の体積は、
12×12×6=864c㎥
とわかります。
次に、立体X または 立体Y の体積を求めれば、
両方の体積がわかります。求めるのは当然立体X の方ですね。
下の図10のように 線XP と線RQ の交点を点M,線QR と
線XV の交点を点N とすると、
立体X の体積は、三角すいM-ENX から2つの三角すい、
三角すいR-FNV、三角すいM-AQPの体積を除けばよい
ことがわかります。
三角形RFV と三角形MEX が相似で、FV=3cm、EX=9cm、
RF=6cmなので、ME=18cm とわかり、ここからMA=6cm
と求められます。
また、三角形APQ と三角形EXN が相似で、AP=3cm、
AQ=6cm、EX=9cmより、EN=18cm とわかり、ここから
FN=18-12=6cm とわかります。
よって、
三角すいM-ENX の体積は、
9×18÷2×18÷3=486㎥
三角すいR-FNV の体積は、
3×6÷2×6÷3=18c㎥
三角すいM-AQP の体積は、
3×6÷2×6÷3=18c㎥
とわかるので、
立体X の体積は、486-18×2=450c㎥
立体Y の体積は、864-450=414c㎥
と求められます。
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