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2012年9月14日 (金)

場合の数 第56問 式を成立させる (暁星中学 入試問題 2012年(平成24年度) 算数)

 

問題 (暁星中学 入試問題 2012年 算数) 難易度★★★★

 

1以上の整数 X が、2以上の整数 Y で割り切れる回数を

[X,Y]で表すことにします。たとえば、6は2で1回割り切れる

ので、[6,2]=1、36は6で2回割り切れるので[36,6]=2、

4は3で割り切れないので[4,3]=0 となります。このとき、

次の問に答えなさい。

 

(1)[X,2]=2、[X,3]=3 のとき、[X,6]を求めなさい。

(2)[X,4]=3 のとき、[X,8]を求めなさい。

(3)[X,8]×[X,32]=6 のとき、[X,2]として考えられる

   数をすべて答えなさい。

(4)[X,8]÷[X,32]=2 のとき、[X,2]として考えられる

   数は何通りありますか。

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解答

 (1)[X,2]=2、[X,3]=3 より、

X は2で2回割り切れ、3で3回割り切れるので、

   X =2×2×3×3×3×□ (□は2,3の倍数以外の整数)

と因数分解した形で表すことができます。これは、2×3=6に直し、

   X =6×6×3×□ (□は2,3の倍数以外の整数)

と表すことができ、X は 6で2回割り切れることがわかります。

 

よって、[X,6]= となります。

 

 

 (2)[X,4]=3 より、

    X =4×4×4×□ (□は4の倍数以外の整数)

と表すことができます。ここで、4×4×4=64 なので、

    X =64×□

と直すことができ、X は8で2回割り切れることがわかります。

(8は4の倍数なので、□には8の倍数は入らない)

 

よって、[X,8]= です。

 

 

 (3)[X,8]×[X,32]=6 より、

[X,8]、[X,32]の組み合わせとして、

    ①[X,8]=1、[X,32]=6
    ②[X,8]=2、[X,32]=3
    ③[X,8]=3、[X,32]=2
    ④[X,8]=6、[X,32]=1

の4通りが考えられますが、32は8の倍数なので、

32で割り切れる回数が、8で割り切れる回数より多いことは

ありえませんので、①と②は不適切です。

 

また、④の[X,8]=6 ということは、

 X=8×8×8×8×8×8×□
  =  64 × 64 ×  64  ×□
  =(32×2)×(32×2)×(32×2)×□

と X を表すことになり、32で3回割り切れるので、

[X,32]=1にはならず、④も不適切です。

 

残った ③ の[X,8]=3、[X,32]=2 について考えます。

[X,8]=3 より、X=8×8×8×□ (□は8の倍数以外の整数)
            =  64 ×8×□
            =(32×2)×8×□
            =  32 × 16  ×□ ・・・ (A)

[X,32]=2 より、X=32×32×△ ・・・ (B)
           (△は32の倍数以外の整数)

と X を表すことができます。

 

(A)と(B)を比べると、□=2×△ ということがわかります。

すなわち、X=8×8×8×2×△ です。

 8=2×2×2 なので、このとき X は2で10回割り切れます。

[X,8]=3 なので、△=2×○ と直せるものでも大丈夫で、

 X=8×8×8×2×2×○ となり、

このとき X は2で11回割り切れます。

 ○=2×☆ としてしまうと、X=8×8×8×8×☆ となってしまい

[X,8]=4 となるので、不適切です。

 

よって、[X,2]=10または11 となります。

 

 (4)[X,8]÷[X,32]=2 より、

[X,8]、[X,32]の組み合わせとして、

    ①[X,8]=2、[X,32]=1
    ②[X,8]=4、[X,32]=2
    ③[X,8]=6、[X,32]=3
    ④[X,8]=8、[X,32]=4

のように、無限に考えることができそうに思うかもしれませんが、

どこかに限界がないのか考えていきましょう。

 

まず、32=8×4 であることに注目すると、

 ①[X,8]=2、[X,32]=1 のとき、

   X=8×8×□ (□は 8の倍数以外の整数)
   X=8×4×△ (△は32の倍数以外の整数)

と表すことができ、△=2×□ とわかります。

(3)と同様に考えると、□=2×○、2×2×☆ と直すことが

できるので、[X,2]として考えられる数は 3通り あります。

 

 ②[X,8]=4、[X,32]=2 のとき、

   X=8×8×8×8×□
   X=8×4×8×4×△=8×8×8×2×△

と表すことができ、△=4×□ とわかります。

やはり、(3)と同様に考えると、□=2×○、2×2×☆ と直す

ことができるので、[X,2]として考えられる数は 3通り です。

 

 ③[X,8]=6、[X,32]=3 のとき、

   X=8×8×8×8×8×8×□
   X=8×4×8×4×8×4×△
    =8×8×8×8×8×△

と表すことができ、△=8×□ とわかります。

(3)と同様に考えて、□=2×○、2×2×☆ と直すと、

△=16×○、32×☆ となり、32×☆は不適切です。

(△が32の倍数となってしまい、[X,32]=4になってしまう)

よって、この場合、[X,2]として考えられる数は 2通り です。

 

 ④[X,8]=8、[X,32]=4 のとき、

   X=8×8×8×8×8×8×8×8×□
   X=8×4×8×4×8×4×8×4×△
    =8×8×8×8×8×8×4×△

と表すことができ、△=16×□ とわかります。
(限界:△=32×□ が見えてきました)

(3)と同様に考えると、□=2×○ とすることもできず、
(△=32×○ となり、32の倍数になってしまうので)

[X,2]として考えられる数は 1通り です。

 

 ⑤[X,8]=10、[X,32]=5 のとき、

   X=8×8×8×8×8×8×8×8×8×8×□
   X=8×4×8×4×8×4×8×4×8×4×△
    =8×8×8×8×8×8×8×8×2×△

と表すことができ、△=32×□ とわかりますが、

△は32の倍数ではないので、不適切です。

[X,32]=5以上になると、不適切になることがわかりました。

 

よって、)[X,8]÷[X,32]=2 のとき、[X,2]として

考えられる数は、①、②、③、④の場合の合計で、

  3+3+2+1=9通り

あります。

 

 

 暁星中学の過去問題集は → こちら

 暁星中学の他の問題は → こちら

 

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