場合の数 第56問 式を成立させる (暁星中学 入試問題 2012年(平成24年度) 算数)
問題 (暁星中学 入試問題 2012年 算数) 難易度★★★★
1以上の整数 X が、2以上の整数 Y で割り切れる回数を
[X,Y]で表すことにします。たとえば、6は2で1回割り切れる
ので、[6,2]=1、36は6で2回割り切れるので[36,6]=2、
4は3で割り切れないので[4,3]=0 となります。このとき、
次の問に答えなさい。
(1)[X,2]=2、[X,3]=3 のとき、[X,6]を求めなさい。
(2)[X,4]=3 のとき、[X,8]を求めなさい。
(3)[X,8]×[X,32]=6 のとき、[X,2]として考えられる
数をすべて答えなさい。
(4)[X,8]÷[X,32]=2 のとき、[X,2]として考えられる
数は何通りありますか。
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解答
(1)[X,2]=2、[X,3]=3 より、
X は2で2回割り切れ、3で3回割り切れるので、
X =2×2×3×3×3×□ (□は2,3の倍数以外の整数)
と因数分解した形で表すことができます。これは、2×3=6に直し、
X =6×6×3×□ (□は2,3の倍数以外の整数)
と表すことができ、X は 6で2回割り切れることがわかります。
よって、[X,6]=2 となります。
(2)[X,4]=3 より、
X =4×4×4×□ (□は4の倍数以外の整数)
と表すことができます。ここで、4×4×4=64 なので、
X =64×□
と直すことができ、X は8で2回割り切れることがわかります。
(8は4の倍数なので、□には8の倍数は入らない)
よって、[X,8]=2 です。
(3)[X,8]×[X,32]=6 より、
[X,8]、[X,32]の組み合わせとして、
①[X,8]=1、[X,32]=6
②[X,8]=2、[X,32]=3
③[X,8]=3、[X,32]=2
④[X,8]=6、[X,32]=1
の4通りが考えられますが、32は8の倍数なので、
32で割り切れる回数が、8で割り切れる回数より多いことは
ありえませんので、①と②は不適切です。
また、④の[X,8]=6 ということは、
X=8×8×8×8×8×8×□
= 64 × 64 × 64 ×□
=(32×2)×(32×2)×(32×2)×□
と X を表すことになり、32で3回割り切れるので、
[X,32]=1にはならず、④も不適切です。
残った ③ の[X,8]=3、[X,32]=2 について考えます。
[X,8]=3 より、X=8×8×8×□ (□は8の倍数以外の整数)
= 64 ×8×□
=(32×2)×8×□
= 32 × 16 ×□ ・・・ (A)
[X,32]=2 より、X=32×32×△ ・・・ (B)
(△は32の倍数以外の整数)
と X を表すことができます。
(A)と(B)を比べると、□=2×△ ということがわかります。
すなわち、X=8×8×8×2×△ です。
8=2×2×2 なので、このとき X は2で10回割り切れます。
[X,8]=3 なので、△=2×○ と直せるものでも大丈夫で、
X=8×8×8×2×2×○ となり、
このとき X は2で11回割り切れます。
○=2×☆ としてしまうと、X=8×8×8×8×☆ となってしまい
[X,8]=4 となるので、不適切です。
よって、[X,2]=10または11 となります。
(4)[X,8]÷[X,32]=2 より、
[X,8]、[X,32]の組み合わせとして、
①[X,8]=2、[X,32]=1
②[X,8]=4、[X,32]=2
③[X,8]=6、[X,32]=3
④[X,8]=8、[X,32]=4
のように、無限に考えることができそうに思うかもしれませんが、
どこかに限界がないのか考えていきましょう。
まず、32=8×4 であることに注目すると、
①[X,8]=2、[X,32]=1 のとき、
X=8×8×□ (□は 8の倍数以外の整数)
X=8×4×△ (△は32の倍数以外の整数)
と表すことができ、△=2×□ とわかります。
(3)と同様に考えると、□=2×○、2×2×☆ と直すことが
できるので、[X,2]として考えられる数は 3通り あります。
②[X,8]=4、[X,32]=2 のとき、
X=8×8×8×8×□
X=8×4×8×4×△=8×8×8×2×△
と表すことができ、△=4×□ とわかります。
やはり、(3)と同様に考えると、□=2×○、2×2×☆ と直す
ことができるので、[X,2]として考えられる数は 3通り です。
③[X,8]=6、[X,32]=3 のとき、
X=8×8×8×8×8×8×□
X=8×4×8×4×8×4×△
=8×8×8×8×8×△
と表すことができ、△=8×□ とわかります。
(3)と同様に考えて、□=2×○、2×2×☆ と直すと、
△=16×○、32×☆ となり、32×☆は不適切です。
(△が32の倍数となってしまい、[X,32]=4になってしまう)
よって、この場合、[X,2]として考えられる数は 2通り です。
④[X,8]=8、[X,32]=4 のとき、
X=8×8×8×8×8×8×8×8×□
X=8×4×8×4×8×4×8×4×△
=8×8×8×8×8×8×4×△
と表すことができ、△=16×□ とわかります。
(限界:△=32×□ が見えてきました)
(3)と同様に考えると、□=2×○ とすることもできず、
(△=32×○ となり、32の倍数になってしまうので)
[X,2]として考えられる数は 1通り です。
⑤[X,8]=10、[X,32]=5 のとき、
X=8×8×8×8×8×8×8×8×8×8×□
X=8×4×8×4×8×4×8×4×8×4×△
=8×8×8×8×8×8×8×8×2×△
と表すことができ、△=32×□ とわかりますが、
△は32の倍数ではないので、不適切です。
[X,32]=5以上になると、不適切になることがわかりました。
よって、)[X,8]÷[X,32]=2 のとき、[X,2]として
考えられる数は、①、②、③、④の場合の合計で、
3+3+2+1=9通り
あります。
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