立体図形の体積比 第7問 (開成中学 2012年(平成24年度) 入試問題 算数)
問題 (開成中学 2012年 入試問題 算数) 難易度★★★
AB=6cm、BC=7cmの三角形ABC の辺BC上に点D を
とり、三角形ABDを2点A,Dを通る直線で折り返すと、下の図1
のように、点Bは点E に重なります。
AE とBC の交わる点をF とすると、CF=3cmになり、三角形
ABC の面積が三角形DEF の7倍になります。このとき、次の
問に答えなさい。
(1)AF,BD の長さをそれぞれ求めなさい。
(2)三角形ACD を2点A,D を通る直線を軸(じく)として回転して
できる立体の体積は、三角形ABD を2点A,D を通る直線を
軸として回転できる立体の体積の何倍ですか。ただし、円すい
の体積は、【底面の円の面積】 × 【高さ】 ÷ 3 で求める
ことができます。
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解答
(1)三角形ABC の面積が三角形DEF の面積の7倍なので、
三角形DEF の面積を ① とすると、三角形ABC の面積は ⑦ 、
さらに、BF =4cm、CF =3cm なので、三角形ABC は、下の
図2のように、三角形ABF の面積は ④、三角形ACF の面積は
③ のように考えることができます。
次に、三角形ABD と三角形AED は合同なので、同じ面積です。
この部分は、下の図3のように、①+④=⑤ の面積なので、
それぞれの三角形の面積は、下の図4のようになります。
図4より、BD : DF = 2.5 : 1.5 = 5 : 3 なので、
BD = 2.5cm、DF = 1.5cm
また、AE = 6cm で、AF : FE = 1.5 : 1 = 3 : 2 なので、
AF = 3.6cm、FE = 2.4cm
と求められます。
(2)三角形ACD と三角形ABD の面積比は、
4.5 : 2.5 = 9 : 5 とわかります。
2つの三角形は、辺AD が共通なので、辺AD を底辺としたとき、
2つの三角形の高さの比 が 9 : 5 ということになります。
下の図5のように、頂点C,B から辺AD へ垂線を引き、交点を
それぞれG,H とすると、CG : BH = 9 : 5 です。
2つの三角形を辺AD の周りに回転させると、三角形ACD の方は
CG を半径とする円を半径とした、高さ=AG とDG の三角すいを
合わせたものになります。
ここで、下の図6,7 を用意しました。
図6の体積は、
2×2×3.14×4÷3+2×2×3.14×5÷3
=2×2×3.14×(4+5)÷3
=2×2×3.14×9÷3
となって、図7の円すいの体積を求める式と同じ式になります。
三角形ABD についても、下の図7,8を考えると、
図8の体積は、
2×2×3.14×(9+5)÷3-2×2×3.14×5÷3
=2×2×3.14×(14-5)÷3
=2×2×3.14×9÷3
となって、図7の円すいの体積を求める式と同じ式になります。
このことから、三角形ACD と三角形ABD を辺AD を軸として
回転させてできる立体の体積は、下の図9のように、辺AD を
高さとして、半径の比が5:9の円すいの体積として求められ、
三角形ACD を回転させた立体 → 9×9×3.14×AD÷3
三角形ABD を回転させた立体 → 5×5×3.14×AD÷3
となるので、2つの立体の体積比は、81:25 となります。
よって、三角形ACD を2点A,D を通る直線を軸として回転して
できる立体の体積は、三角形ABD を2点A,D を通る直線を
軸として回転できる立体の体積の
81÷25=3.24倍 となります。
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