立体図形の切り口 第42問 切断四角柱 (女子学院中学 2012年、桜蔭中学 2012年 中学入試問題 算数)
問題 (女子学院中学 2012年、 桜蔭中学 2012年
中学入試問題 算数) 難易度★★★
【 1 】
直方体をななめに切断してできた下の図Aの立体の体積と
四角形ABCD の面積をそれぞれ求めなさい。
(影をつけた部分は切断した面です)
(女子学院中学 2012年)
【 2 】
下の図Bのような直方体ABCD-EFGHがあり、AD=6cm、
AB=BF=8cmです。また、長方形AEHD,長方形BFGC の
対角線AH,BG の長さはともに10cm です。
3点P,Q,Rは同時に頂点Aを出発し、それぞれ一定の速さで
次のように動きます。
点Pは長方形ABCDの周上を
A → B → C → D → A → B → ・・・
点Qは長方形ABGHの周上を
A → B → G → H → A → B → ・・・
点Rは長方形AEFBの周上を
A → E → F → B → A → E → ・・・
点Pの速さは毎秒2cm、点Qの速さは毎秒2.5cmです。
このとき、次の問に答えなさい。
(1)点Pと点Qが初めて重なるのは、同時に頂点Aを出発してから
何秒後ですか。
(2)点RはP,Qと同時に頂点Aを出発してから正方形AEFBの
周上を1周し終える前に、Pと初めて出会いました。その
ちょうど1秒後に、PとQは初めて重なりました。点Rの速さは
毎秒何cmですか。
(3)3点が同時に頂点Aを出発してから、Qが初めて頂点G に
着いたときの3点P,Q,R を通る平面で直方体を切った
とき、頂点Bを含む立体の体積を求めなさい。
(桜蔭中学 2012年)
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解答
【 1 】
図A で、切断された直方体の4つの辺の高さのうち、CD 以外の
3辺が、15cm、51cm,71cm となっていることから、
CD の長さは、15cmから、51cm→71cm のように20cm増え、
35cm とわかります。
(または、15cm → 51cm のように36cm増えると71cm
になるので、71-36=35cm としても求められます)
よって、台形ABCD の面積は、
(35+71)×48÷2=2544c㎡ です。
次に、立体の体積ですが、切断された立体の体積は、
【 底面積 】 × 【 平均の高さ 】 として求めることができ、
平均の高さは、(15+35+51+71)÷4=43cm なので、
立体の体積は、
48×15×43=30960c㎥ と求められます。
なお、平均の高さは単に、対角にあたる、【71cmと15cm】や
【51cmと35cm】の平均で求めることもできます。
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【 2 】
桜蔭では 2011年にも立体の切断の問題がありました。
( 参照 → 桜蔭中学 2011年 立体図形問題 )
昨年の問題の考え方が使える問題ですが、その前に
点の移動をからめた複合問題です。
(1)下の図1のように、点Pは1周28cm、点Qは1周36cmの
コースを、それぞれ毎秒2cm、2.5cmで周ります。
Pは、28÷2=14秒で1周し、Qは36÷2.5=14.4秒で
1周して頂点Aに戻ります。
ほとんど変わらない時間なので、1周後、Bまでの間に
点Qが点Pに追いつくのではないかと考えると、
点Pは 8cm ÷2 =4秒
点Qは、8cm ÷2.5 =3.2秒
なので、追いつくことがわかります。
点Pは、点Qより、14.4-14=0.4秒 先に頂点Aを出発した
と考えて、0.4秒×毎秒2cm=0.8cm 点Qより先にいます。
よって、QがPに追いつくのは、0.8÷(2.5-2)=1.6秒後
で、点Pと点Qが初めて重なるのは、14.4+1.6=16秒後
とわかります。
(2)点Pと点Rが初めて出会うのは、出発してから15秒後で、
その位置は、点Pが 2×15=30cm進んだ場所なので、
頂点Aから頂点B方向へ2cmの場所です。
よって、点Rは、A → E → F → B → A の順に
1辺8cmの正方形AEFBの周上を移動するので、
15秒間に8×4-2=30cm 進んだことになり、速度は
毎秒2cm とわかります。
(3)点Qが頂点Gに着くのは、18÷2.5=7.2秒後 で、
点P、点Rはそれぞれ毎秒2秒の速さなので、
7.2×2=14.4cm 移動していて、下の図2のように
点Pは、頂点C から頂点D 方向へ 0.4cm の位置
点Qは、頂点E から頂点F 方向へ 6.4cm の位置
(頂点Fから頂点E 方向へ 1.6cm の位置)
となり、切り口は下の図3のようになります。
辺AB上の切り口の点Sは、PS とQR が平行で、FR=1.6cm、
CP=0.4cm なので、BS=0.4+1.6=2cm の位置になり、
頂点B を含む立体の形がわかります。
この立体は、面BCGF を底面として置くと、
下の図4のように切断四角柱(直方体)とわかります。
高さの平均が
(0+0.4+1.6+2)÷4=1cm なので、
体積は、底面積×平均の高さ から求めると
8×6×1=48c㎥ となります。
( 参考 → 切断された三角柱の体積の求め方 )
女子学院中学の他の問題は → こちら
桜蔭中学の他の問題は → こちら
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