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2012年2月 1日 (水)

立体図形の切り口 第42問 切断四角柱 (女子学院中学 2012年、桜蔭中学 2012年 中学入試問題 算数)

 

問題 (女子学院中学 2012年、 桜蔭中学 2012年 

     中学入試問題 算数) 難易度★★★

 

【 1 】

 直方体をななめに切断してできた下の図Aの立体の体積と

四角形ABCD の面積をそれぞれ求めなさい。

(影をつけた部分は切断した面です) 

     Pic_27821q

                        (女子学院中学 2012年) 

 

【 2 】

 下の図Bのような直方体ABCD-EFGHがあり、AD=6cm、

AB=BF=8cmです。また、長方形AEHD,長方形BFGC の

対角線AH,BG の長さはともに10cm です。

    Pic_27822q_2

3点P,Q,Rは同時に頂点Aを出発し、それぞれ一定の速さで

次のように動きます。

点Pは長方形ABCDの周上を

  A → B → C → D → A → B → ・・・

点Qは長方形ABGHの周上を

  A → B → G → H → A → B → ・・・

点Rは長方形AEFBの周上を

  A → E → F → B → A → E → ・・・

点Pの速さは毎秒2cm、点Qの速さは毎秒2.5cmです。

このとき、次の問に答えなさい。

 

(1)点Pと点Qが初めて重なるのは、同時に頂点Aを出発してから

   何秒後ですか。

(2)点RはP,Qと同時に頂点Aを出発してから正方形AEFBの

   周上を1周し終える前に、Pと初めて出会いました。その

   ちょうど1秒後に、PとQは初めて重なりました。点Rの速さは

   毎秒何cmですか。

(3)3点が同時に頂点Aを出発してから、Qが初めて頂点G に

   着いたときの3点P,Q,R を通る平面で直方体を切った

   とき、頂点Bを含む立体の体積を求めなさい。

                           (桜蔭中学 2012年)

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解答

【 1 】

 図A で、切断された直方体の4つの辺の高さのうち、CD 以外の

3辺が、15cm、51cm,71cm となっていることから、

CD の長さは、15cmから、51cm→71cm のように20cm増え、

35cm とわかります。

 (または、15cm → 51cm のように36cm増えると71cm

  になるので、71-36=35cm としても求められます)

 

よって、台形ABCD の面積は、

 (35+71)×48÷2=2544c㎡ です。

 

次に、立体の体積ですが、切断された立体の体積は、

  【 底面積 】 × 【 平均の高さ 】 として求めることができ、

平均の高さは、(15+35+51+71)÷4=43cm なので、

立体の体積は、

  48×15×43=30960c㎥ と求められます。

 

なお、平均の高さは単に、対角にあたる、【71cmと15cm】や

【51cmと35cm】の平均で求めることもできます。 

 

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【 2 】

 桜蔭では 2011年にも立体の切断の問題がありました。

 ( 参照 → 桜蔭中学 2011年 立体図形問題 )

昨年の問題の考え方が使える問題ですが、その前に

点の移動をからめた複合問題です。

 

 (1)下の図1のように、点Pは1周28cm、点Qは1周36cmの

コースを、それぞれ毎秒2cm、2.5cmで周ります。

Pic_2783a

Pは、28÷2=14秒で1周し、Qは36÷2.5=14.4秒で

1周して頂点Aに戻ります。

 

ほとんど変わらない時間なので、1周後、Bまでの間に

点Qが点Pに追いつくのではないかと考えると、

  点Pは 8cm ÷2   =4秒

  点Qは、8cm ÷2.5 =3.2秒

なので、追いつくことがわかります。

 

点Pは、点Qより、14.4-14=0.4秒 先に頂点Aを出発した

と考えて、0.4秒×毎秒2cm=0.8cm 点Qより先にいます。

 

よって、QがPに追いつくのは、0.8÷(2.5-2)=1.6秒後

で、点Pと点Qが初めて重なるのは、14.4+1.6=16秒後

とわかります。

 

 (2)点Pと点Rが初めて出会うのは、出発してから15秒後で、

その位置は、点Pが 2×15=30cm進んだ場所なので、

頂点Aから頂点B方向へ2cmの場所です。

 

よって、点Rは、A → E → F → B → A の順に

1辺8cmの正方形AEFBの周上を移動するので、

15秒間に8×4-2=30cm 進んだことになり、速度は

毎秒2cm とわかります。

 

 (3)点Qが頂点Gに着くのは、18÷2.5=7.2秒後 で、

点P、点Rはそれぞれ毎秒2秒の速さなので、

  7.2×2=14.4cm 移動していて、下の図2のように

     Pic_2784a

点Pは、頂点C から頂点D 方向へ 0.4cm の位置

点Qは、頂点E から頂点F 方向へ 6.4cm の位置

    (頂点Fから頂点E 方向へ 1.6cm の位置)

となり、切り口は下の図3のようになります。

     Pic_2785a

辺AB上の切り口の点Sは、PS とQR が平行で、FR=1.6cm、

CP=0.4cm なので、BS=0.4+1.6=2cm の位置になり、

頂点B を含む立体の形がわかります。

 

この立体は、面BCGF を底面として置くと、

下の図4のように切断四角柱(直方体)とわかります。

     Pic_2786a

高さの平均が

  (0+0.4+1.6+2)÷4=1cm なので、

体積は、底面積×平均の高さ から求めると

  8×6×1=48c㎥ となります。

 

 

 ( 参考 → 切断された三角柱の体積の求め方 )

 

 

 女子学院中学の過去問題集は → こちら

 桜蔭中学の過去問題集は → こちら

 女子学院中学の他の問題は → こちら

 桜蔭中学の他の問題は → こちら

 

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