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2011年10月21日 (金)

規則的な図形の移動 第3問 (筑波大学附属駒場中学 2006年(平成18年度) 入試問題 算数)

 

問題 (筑波大学附属駒場中学 2006年 入試問題 算数)

     難易度★★★★★

 

下の図1のような、4つの面が同じ大きさの正三角形で

できているコマと、下の図2のような、コマの面と同じ大きさの

正三角形がたくさん描いてある板があります。コマの1つの

面には☆印がついていて、はじめに、この☆の面が図2の

★のついた三角形とぴったり重なるように置いてあります。

       Pic_2513q

Pic_2514q_2

板についている面の1つの辺を動かさないようにコマをたおし、

別の面を下にする操作を何回か行って、コマを動かすことを

考えます。たとえば、1回目の操作で、コマは図2の○印の

3つの三角形のどれかに移動します。また、たとえば3回目の

操作で図2の●印の三角形、4回目の操作で図2の■印の

三角形、5回目の操作で図2の▲印の三角形にコマは移動

できて、いずれも☆の面が●、■、▲の三角形に重なります。

 

コマが移動できる板上の三角形の個数について、次の問に

答えなさい。ただし、はじめにコマを置いた★印の三角形は

個数に含めません。

 

(1)2回目の操作で、はじめてコマがたどりつける三角形は

   何個ありますか。また、そのうち☆の面が重なるものは

   何個ありますか。3回目、4回目の操作についても、同じ

   ものを求めなさい。

(2)8回以下の操作でコマが移動できる三角形は全部で何個

   ありますか。また、そのうち☆の面が重なるものは全部で

   何個ありますか。

(3)100回以下の操作でコマが移動できる三角形のうち、☆の

   面が重なるものは全部で何個ありますか。

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---------------------------------------------

解答

 (1)2回目の操作で、はじめてコマがたどりつける三角形は、

図2の○印から1つとなりの三角形で、下の図3の青い三角形

です。

Pic_2515a

よって、6個です。

 

次に、☆の面が重なる面について考えます。コマの4つの面を

赤、青、黄色、白の4色で表し、☆の面を青色の面として考え

最初の位置から転がすと、下の図4のように太線の三角形の

位置で☆の面が重なります。

   Pic_2516a_3

よって、2回目の操作では、☆の面と重なるものは、0個です。

 

3回目の操作で、はじめてコマがたどりつける三角形は、

図3の青い三角形から1つとなりの三角形で、下の図5の

緑の三角形で、9個あり、そのうち☆の面が重なるものは

3個です。

Pic_2517a

4回目の操作で、はじめてコマがたどりつける三角形は、

図5の緑の三角形から1つとなりの三角形で、下の図6の

黄色の三角形で、12個あり、そのうち☆の面が重なるものは

図4の図と重ねて考えると、6個とわかります。

Pic_2518a

 

 (2) (1)の操作を同様に続けていくと、

5回目の操作で、はじめてコマがたどりつける三角形は、

図6の黄色の三角形から1つとなりの三角形で、下の図7の

赤色の三角形で、15個あり、そのうち☆の面が重なるものは

図4の図と重ねて考えると、3個とわかります。

Pic_2519a

6回目の操作で、はじめてコマがたどりつける三角形は、

図7の赤の三角形から1つとなりの三角形で、下の図8の

青色の三角形で、18個あり、そのうち☆の面が重なるものは

図4の図と重ねて考えると、0個とわかります。

Pic_2520a

7回目の操作で、はじめてコマがたどりつける三角形は、

図8の青の三角形から1つとなりの三角形で、下の図9の

黄色の三角形で、21個あり、そのうち☆の面が重なるものは

図4の図と重ねて考えると、6個とわかります。

Pic_2521a

8回目の操作で、はじめてコマがたどりつける三角形は、

図9の黄色の三角形から1つとなりの三角形で、下の図10の

紫色の三角形で、24個あり、そのうち☆の面が重なるものは

図4の図と重ねて考えると、12個とわかります。

Pic_2522a

ここまで8回の操作で移動できる三角形の個数を合計すると、

     3+6+9+12+15+18+21+24

   =(3+24)×8÷2=108個 です。

そのうち、☆の面と重なるものは、

     0+3+6+3+0+6+12=30個 です。

 

いきなり図10を描いて、★を六角形状に並べて数えてもよいと

思います。

 

 (3)100回まで地道に調べるわけにはいかないので、

何か規則性がないか探してみます。

 

☆の面と重なる三角形の数は、8回目までの操作まで、

   0+3+6+3+0+6+12 という増え方をしています。

ここから推測すると、9回目は6、10回目は0、11回目は9、・・・

と考えられます。確認すると、下の図11のようになり、

Pic_2523a_2

9回目は★が6個、10回目は灰色の三角形のところで、0個、

11回目はで右下、左下、上の3か所に3個ずつで9個 と

なっていることがわかります。

 

よって、次のような規則があることが確認できました。

   【1】2~5回目 ・・・ 0,3,6,3 ・・・ 12

   【2】6~9回目 ・・・ 0,6,12,6 ・・・ 24(12×2)

   【3】10~13回目 ・・・ 0,9,18,9 ・・・ 12×3

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   【24】94~97回目 ・・・ 0,72,144,72 ・・・ 12×24

   【25】98~100回 ・・・ 0,75,150 ・・・ 225

  

よって、これらを合計すると、

  12×1+12×2+12×3+・・・+12×24+225

=12×(1+2+3+・・・+24)+225

=12×(1+24)×24÷2+225

=12×25×12+25×9=25×(144+9)=25×153

3825個 となります。

 

 

 筑波大学附属駒場中学の過去問題集は → こちら

 筑波大学附属駒場中学の他の問題は → こちら

 

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