立体図形の体積 第21問 (海城中学 2009年(平成21年度) 入試問題 算数)
問題 (海城中学 2009年 入試問題 算数) 難易度★★★★★
1辺6cmの立方体7個と、直角をはさむ2辺の長さが6cmの
直角二等辺三角形を底面として高さ6cmの三角柱12個を使い
下の図のような立体を組み立てました。
このとき、次の問に答えなさい。
(1)この立体の体積を求めなさい。
この立体と同じ形、同じ大きさ、同じ置き方の空の水そうを用意し、
毎分18c㎥ で水を入れていきます。
(2)水面の高さが3cmになるのは何秒後ですか。
(3)水面の高さが8cmになるのは何秒後ですか。
(4)144秒後の水面の高さを答えなさい。
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解答
(1)1辺6cmの立方体の体積は、6×6×6=216c㎥
直角をはさむ2辺が6cmの直角二等辺三角形を底面とする
高さ6cmの三角柱の体積は、
6×6÷2×6=108c㎥
なので、この立体の体積は、
216×7+108×12=216×(7+6)=2808c㎥
となります。
(2)水面が高さ3cmのとき、水の体積は、
立方体1個の部分 → 6×6×3=108c㎥
三角柱4個の部分 → 3×3÷2×6×4=108c㎥
水が毎分18c㎥ 入ってくるので、水面の高さが3cmになるのは、
(108+108)÷18=12秒後 です。
(3)水面の高さが8cmのときの水の体積は、
まん中の部分が下の図1のようになっていることから、
一番下の部分 → 6×6×6+6×6÷2×6×4=6×6×6×3
=648c㎥
まん中の部分(高さ2cm) → 6×6×2×5+6×6÷2×2×4
=36×14c㎥
よって、水面の高さが8cmになるのは、
(6×6×6×3+36×14)÷18
=18×(36+28)÷18=64秒後 です。
(4)まん中の部分がすべて水で満たされるのは、
(648+6×6×6×5+6×6÷2×6×4)÷18
=(18×6×6+6×6×6×7)÷18
=36+84=120秒後
なので、144秒後には一番上の部分に水が入っていることに
なります。
(一番上の部分と一番下の部分は体積が等しいので
648÷18=36秒 かかり、120+36=156秒後に
水があふれることがわかります)
144-120=24秒間に入る水の体積は、
18×24=432c㎥ です。
432c㎥ の水が下の図2のように入っているので、
一番上の部分の水の高さを□cmとすると、下の図3のように
台形状に水が入っているので、水の体積は、
6×6×□+{(6-□)+6}×□÷2×6×4=432
なので、
3×□+(12-□)×□=36
という式になり、この式は小学生では解くことができません。
発想を変える必要があります。
そこで、秒数に注目します。
120秒でまん中の部分が水で満たされ、156秒後に
すべての部分が水で満たされます。
求めるのは、144秒後に水がどの高さにあるかです。
あらためて、下の図4を見てみますが、このとき(2)を思い出すと、
図5は(2)の状態を表したものです。
図4と図5を比べてみると、同じ12秒ですから、
上から水が入ろうが、下から水が上がってこようが、
入る水の体積は等しくなっています。
すなわち、図4の水面の高さは、上から3cmのところである
とわかります。
よって、144秒後の水面の高さは、
12+(6-3)=15cm のところになります。
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