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2010年8月 6日 (金)

点の移動 第13問 (開成中学 2008年(平成20年度) 入試問題 算数)

 

問題 (開成中学 2008年 入試問題 算数) 難易度★★★★

 

1辺5cmの正五角形ABCDEがあります。下の図1のように

正五角形の各頂点、およびそれぞれの辺に頂点から1cmずつ

印がついています。いま、25個ある印のうち、点E には黒丸を

置き、それ以外の5ヶ所に白丸を置きます。

 Pic_1756q_2

白丸は正五角形の周上を反時計回りに秒速1cmで動きます。

また、黒丸は正五角形の対角線上をE → B → D → A → C →

E → B → ・・・ の順で3秒ごとに次の頂点に着くように、一定の

速さで動きます。

 

黒丸と白丸が同時に動き出し、黒丸と白丸が重なると、その白丸が

消えます。このとき、次の問に答えなさい。

 

(1)動き出して15秒ですべての白丸が消えるような白丸の

   置き方を下の図2に書きこみなさい。

 Pic_1757q_2

(2)動き出してからちょうど18秒ですべての白丸が消えるような

   白丸の置き方は何通りありますか。

(3)下の図3のように、白丸が5個連続でならんでいる(白丸の間に

   印または黒丸がない)ような置き方を考えます。

   このとき、動き出してからすべての白丸が消えるまでにかかる

   時間が最も短い場合の白丸の置き方の例を図2に書きこみ、

   そのときにかかる時間を答えなさい。

 Pic_1758q_2

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解答

 (1)黒丸が3秒で次の頂点に達するので、15秒では

15÷3=5個の頂点を移動することがわかります。

 

動く白丸の数が5個なので、各頂点で1個の白丸が

黒丸と重なれば、すべての白丸が消えます。

 

まず、黒丸がE → B に移動するときに消える白丸は、

Bから3個手前の、下の図4のような位置になります。

 Pic_1759a_2

同様にして、B → D に移動して消える白丸は、D から6個手前、

D → A に移動して消える白丸は、A から9個手前、

A → C に移動して消える白丸は、C から12個手前、

C → E に移動して消える白丸は、E から15個手前にあればよく

下の図5のような位置になります。

Pic_1760a

 

 (2)18秒で黒丸が移動できる頂点は、18÷3=6個です。

(1)より1つ多くなり、E → B → D → A → C → E → B と

移動します。

 最後の頂点Bに移動したときに消える白丸の位置は、

頂点Bから18個手前の印で、下の図6のようになります。

Pic_1761a

(1)の図5の5個の場所と重なっていないので、

この6ヶ所の位置から5ヶ所を選べばよく、白丸の置き方は

5通り あることがわかります。

 

 (3)黒丸と重なって消える白丸の位置は、下の図7のように

7個ずつ移動しながら存在することがわかります。

Pic_1762a

このことを利用して、連続する5個の白丸ができる位置を探します。

 

始まりが頂点E なので、E から始まる数直線を書いてみると、

下の図8のようになり、黒丸と重なる白丸の位置は、7の倍数の

ときとなります。(数字の振り方に注意しましょう

Pic_1763a

まず最初に黒丸が頂点Bに移動したときに重なる白丸は、

最初「7」の位置です。次に、頂点Dに移動したときに重なる

白丸は「14」の位置です。これを順番に調べていきます。

 

印が25個周期であることから、25ずつ調べます。

 

 1~25まで・・・7、14,21

26~50まで・・・28、35、42、49

51~75まで・・・56、63、70

 

 このように7の倍数を書けますが、連続しているか

判断しにくいので、26以降を1~25に書き直します。

 

すなわち、「28」なら、図8の数直線では「3」と同じです。

26~50までは、25を引き、51~75までは50を引き、

として調べていくと、

  

 1~25まで・・・7、14,21

26~50まで・・・28(3)、35(10)、42(17)、49(24)

51~75まで・・・56(6)、63(13)、70(20)

76~100まで・・・77(2)、84(9)、・・・

 この辺りまで調べると、( )内だけ周期的に調べればよい

ことに気づくはずで、下のようにできます。

 

 1~25まで・・・、14,21

26~50まで・・・3、10、17、24

51~75まで・・・、13、20

76~100まで・・・2、、16、23

101~125まで・・・、12、19

126~150まで・・・1、、15、22 

 

 多くの数が出てきたところで、連続した数がないか調べると、

5,6,7,8,9,10 の連続した6個が現れていることに気付き、

ここから5個を選べばよく、下の図9のような位置になります。

(12,13,14,15,16 や 20,21,22,23,24 もありますが、

 5,6,7,8,9,10の方が黒丸と重なるのが早いです)

Pic_1764a_3

「8」の位置まで移動するのに、黒丸が移動した頂点の数は、

    3+4+3+4+3+2=19個 で、

1つの頂点への移動に3秒かかるので、連続して5個ならんだ

白丸が消えるまでの最短の時間は、

    19×3=57秒 と求められます。

 

 

 開成中学の過去問題集は → こちら

 開成中学の他の問題は → こちら

 

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