点の移動 第13問 (開成中学 2008年(平成20年度) 入試問題 算数)
問題 (開成中学 2008年 入試問題 算数) 難易度★★★★
1辺5cmの正五角形ABCDEがあります。下の図1のように
正五角形の各頂点、およびそれぞれの辺に頂点から1cmずつ
印がついています。いま、25個ある印のうち、点E には黒丸を
置き、それ以外の5ヶ所に白丸を置きます。
白丸は正五角形の周上を反時計回りに秒速1cmで動きます。
また、黒丸は正五角形の対角線上をE → B → D → A → C →
E → B → ・・・ の順で3秒ごとに次の頂点に着くように、一定の
速さで動きます。
黒丸と白丸が同時に動き出し、黒丸と白丸が重なると、その白丸が
消えます。このとき、次の問に答えなさい。
(1)動き出して15秒ですべての白丸が消えるような白丸の
置き方を下の図2に書きこみなさい。
(2)動き出してからちょうど18秒ですべての白丸が消えるような
白丸の置き方は何通りありますか。
(3)下の図3のように、白丸が5個連続でならんでいる(白丸の間に
印または黒丸がない)ような置き方を考えます。
このとき、動き出してからすべての白丸が消えるまでにかかる
時間が最も短い場合の白丸の置き方の例を図2に書きこみ、
そのときにかかる時間を答えなさい。
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解答
(1)黒丸が3秒で次の頂点に達するので、15秒では
15÷3=5個の頂点を移動することがわかります。
動く白丸の数が5個なので、各頂点で1個の白丸が
黒丸と重なれば、すべての白丸が消えます。
まず、黒丸がE → B に移動するときに消える白丸は、
Bから3個手前の、下の図4のような位置になります。
同様にして、B → D に移動して消える白丸は、D から6個手前、
D → A に移動して消える白丸は、A から9個手前、
A → C に移動して消える白丸は、C から12個手前、
C → E に移動して消える白丸は、E から15個手前にあればよく
下の図5のような位置になります。
(2)18秒で黒丸が移動できる頂点は、18÷3=6個です。
(1)より1つ多くなり、E → B → D → A → C → E → B と
移動します。
最後の頂点Bに移動したときに消える白丸の位置は、
頂点Bから18個手前の印で、下の図6のようになります。
(1)の図5の5個の場所と重なっていないので、
この6ヶ所の位置から5ヶ所を選べばよく、白丸の置き方は
5通り あることがわかります。
(3)黒丸と重なって消える白丸の位置は、下の図7のように
7個ずつ移動しながら存在することがわかります。
このことを利用して、連続する5個の白丸ができる位置を探します。
始まりが頂点E なので、E から始まる数直線を書いてみると、
下の図8のようになり、黒丸と重なる白丸の位置は、7の倍数の
ときとなります。(数字の振り方に注意しましょう)
まず最初に黒丸が頂点Bに移動したときに重なる白丸は、
最初「7」の位置です。次に、頂点Dに移動したときに重なる
白丸は「14」の位置です。これを順番に調べていきます。
印が25個周期であることから、25ずつ調べます。
1~25まで・・・7、14,21
26~50まで・・・28、35、42、49
51~75まで・・・56、63、70
このように7の倍数を書けますが、連続しているか
判断しにくいので、26以降を1~25に書き直します。
すなわち、「28」なら、図8の数直線では「3」と同じです。
26~50までは、25を引き、51~75までは50を引き、
として調べていくと、
1~25まで・・・7、14,21
26~50まで・・・28(3)、35(10)、42(17)、49(24)
51~75まで・・・56(6)、63(13)、70(20)
76~100まで・・・77(2)、84(9)、・・・
この辺りまで調べると、( )内だけ周期的に調べればよい
ことに気づくはずで、下のようにできます。
1~25まで・・・7、14,21
26~50まで・・・3、10、17、24
51~75まで・・・6、13、20
76~100まで・・・2、9、16、23
101~125まで・・・5、12、19
126~150まで・・・1、8、15、22
多くの数が出てきたところで、連続した数がないか調べると、
5,6,7,8,9,10 の連続した6個が現れていることに気付き、
ここから5個を選べばよく、下の図9のような位置になります。
(12,13,14,15,16 や 20,21,22,23,24 もありますが、
5,6,7,8,9,10の方が黒丸と重なるのが早いです)
「8」の位置まで移動するのに、黒丸が移動した頂点の数は、
3+4+3+4+3+2=19個 で、
1つの頂点への移動に3秒かかるので、連続して5個ならんだ
白丸が消えるまでの最短の時間は、
19×3=57秒 と求められます。
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