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2010年1月15日 (金)

速さ 第17問 (洛南高校附属中学 2004年(平成16年度) 入試問題 算数)

 

問題 (洛南高校附属中学 2004年 入試問題 算数) 

     難易度★★★★★

Pic_0894q

 図のような10cm×30cm×30cmの直方体の容器にA,B,Cの

3つの排水口がついています。容器にはア、イの仕切り板を入れる

場所が等しい間かくであり、P,Q,Rの3つの仕切り板のうちどれか

を入れることができます。仕切り板Pの高さは30cmで、仕切り板を

入れるときは容器の底までぴったりと入れます。

 

 まず、容器に水を満たし、仕切り板Pをアに入れた後に

排水口を同時に開くと、Pの左側と右側の水は同時に排水

されました。

 

 次に、容器に水を満たし、仕切り板Pをイに入れた後に

排水口を同時に開くと、Pの右側の水がすべてなくなったとき、

左側の水は15cmの高さまで残っていました。

 

 (1)排水口A,B,Cの排水の速度の比を求めなさい。

 

容器に水を満たし、アに仕切り板Pを、イに仕切り板Qを入れた後に

排水口を同時に開くと、Cが排水を終えたときPの左側の水の高さは

6cmでした。

 

 (2)仕切り板Qの高さを求めなさい。

 

容器に水を満たし、仕切り板P,Rをア、イに入れた後に排水口を

同時に開いて排水を行うとき、ア、イにP,Rのどちらを入れるかに

よって容器の中の水がすべて排水されるのにかかる時間は2通り

考えられます。

 

 (3)仕切り板Rの高さが12cmのとき、考えられる2通りの時間の

    うち、短い方と長い方の比をもっとも簡単な整数の比で表し

    なさい。

 

 (4)考えられる2通りの時間の短い方と長い方の比が6:7のとき

    仕切り板Rの高さを求めなさい。

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解答

 (1)アに仕切りを入れると左右同時に排水され、イに仕切りを

入れると左が15cm残ったので、それぞれの場合に排水された

水の量は、10cm×10cm×30cm=①とすると、下の図1の

ようになります。

Pic_0895a_2

排水口A,B,Cの排水の速度をそれぞれa,b,c とすると、

速度の比は、(同じ時間で)排水した水の量の比に等しいので

a:b+c=1:2、a+b:c=1:1 となります。これは下の図2の

ようになるので、

     Pic_0896a

比をそろえると、a:b:c=2:1:3 であることがわかります。

 

 (2) Cが排水を終えたとき、Pの右側の水の高さは不明なので

下の図3のようになります。

     Pic_0897a_2

まず、最初の水が満たされた状態から考えると、(1)から、

仕切り板Qの高さまでは、仕切り板Pの左右は同時に減るので、

下の図4のようになります。

     Pic_0898a

仕切りQの高さまで排水されると、排水口B,Cに分かれるので

A,Cの排水される速度は、(1)より2:3に変化します。

すなわち、Aの方がおそく、その差が6cmの高さになるので、

仕切り板Qの高さ=6×3=18cm とわかります。

 

 (3)P,Rがア、イのどちらに入っているか2通り考えると、

まずPがア、Rがイのとき、Rの高さ12cmまでは同じ高さで

水が減ります。

次にPがイ、Rがアのとき、Rの高さ12cmは15cmより低いので

排水口Cの水はすべてなくなり、図5の右図のようになっています。

Pic_0899a

図5以降は排水口Bがもっともおそく排水し、その時間は同じです。

差がつくのは、その前までなので、Bが12cm分の水を排水する

時間を基準に考えます。

Pic_0900a

上の図6のように、Rより上の部分は、Pがアのときは

BとCの平均の(1+3)÷2=2の速度で排水することに等しく、

Pがイのときは、AとBの平均の(2+1)÷2=1.5の速度で

排水することに等しくなります。

 

高さの比は水の体積比を表しているので、

 Pがアのときに排水にかかる時間は、18÷2+12÷1=21

 Pがイのときに排水にかかる時間は、18÷1.5+12÷1=24

となるので、時間の比は21:24=7:8 となります。

 

 速さ×時間=体積 となることを理解しましょう。

 

 (4)仕切り板Rの高さを□cm、30-□=△cmとすると、

下の図7のようになります。

Pic_0901a

△÷2+□:△÷1.5+□=6:7

△÷2+□:△÷1.5+□=7:6 の2通り考えられますが、

△÷2より△÷1.5の方が大きいので、

△÷2+□:△÷1.5+□=6:7 について考えればよいです。

 

⑥:⑦の差である⑦-⑥=① は、

(△÷1.5+□) - (△÷2+□) =△/6 になります。

 よって、△=⑥ です。

⑥÷2+□:⑥÷1.5+□=⑥:⑦

③+□:④+□=⑥:⑦ となって、□=③ とわかります。

 

ここで、△+□=30cm なので、⑥+③=⑨=30cm です。

ゆえに、求めるRの高さ□=③=30÷3=10cm とわかります。

 

 

 洛南高校附属中学の過去問題集は → こちら

 洛南高校附属中学の他の問題は → こちら

 

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