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2009年12月 3日 (木)

場合の数 並べ方 第14問 (駒場東邦中学 2000年(平成12年度) 中学受験算数問題)

 

問題 (駒場東邦中学 2000年 受験算数問題) 難易度★★★★★

 

数字の「1」と「2」だけを使って、2つの4けたの整数を作ります。

作った2つの整数を、それぞれの同じけたにある数字同士をかける

ことを、「X * Y」で表すことにします。

 たとえば、1221*2222=2442 、 2221*1121=2241

となります。このとき、次の問に答えなさい。

 

 (1)作ることができる4けたの整数は何個ありますか。

 

 (2)X*1111 を計算したところ、3の倍数になりました。

    このとき、Xとして考えられるものを全て書きなさい。

  

 (3)1212*Y を計算したところ、3の倍数になりました。

    このとき、Yとして考えられるものを全て書きなさい。

  

 (4)1111、1212、X、Y の4つの4けたの整数から

    2つを選んで「*」を用いた計算をしたところ、

    どの計算結果も3の倍数になりました。

    X,Yとして考えられる組み合わせを全て書きなさい。

    ただし、XよりもYの方が大きい整数とします。

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解答

 (1)一の位、十の位、百の位、千の位、すべて1か2の2通りの

数字を組み合わせるので、2×2×2×2=16通り の整数を作る

ことができます。

 

 (2)4けたの整数Xを、「ABCD」と考えます。

すると、X*1111=ABCD * 1111=ABCD となります。

整数ABCDが3の倍数のとき、A+B+C+D=3の倍数です。

(3の倍数の性質は → こちら を参照)

 

A,B,C,Dは「1」、「2」のどちらかなので、4つの数字が

1,1,2,2」のときだけ、1+1+2+2=6で、3の倍数になり、

このときの「A,B,C,D」の組み合わせは、

1と1がとなり合っているもの1122,2112,2211

1と1がはなれているもの1221,1212,2121

以上6通り となります。

 

 (3)4けたの整数Yについて、同様に「ABCD」としてみます。

1212*Y=1212 * ABCD= 2×B 2×D となります。

これが3の倍数なので、A+2×B+C+2×D=3の倍数 です。

  

A,B,C,Dは「1」か「2」のどちらかなので、

2×B、2×D は、「2」か「4」 ですね。

 

いろいろ解き方はあると思いますが、  

2×B、2×Dの値によって考えてみます。

 

B,Dが共に1のとき、2×B+2×D=2+2=4なので、

A+C=2ならば、合計して4+2=6で3の倍数になります。

よって、(A,C)=(1,1)となればよく、1111 があてはまります。

 

B,Dの片方が1、片方が2のとき、2×B+2×D=6になるので、

A+2×B+C+2×D=3の倍数になるためには、A+Cも3の

倍数になればよく、(A,C)=(1,2)または(2,1)です。

よって、1122、2112、1221、2211 があります。

 

最後に、B,Dが共に2のとき、A+2×B+C+2×D=3の倍数に

なるのは、2×B+2×D=8なので、A+C=4のときで、

(A,C)=(2,2)で、2222 があてはまります。

 

よって、Y=1111,1122,2112,1221,2211,2222

6通り が考えられます。

 

 (4)1111、1212、X、Y から、どの2つを組み合わせて計算しても

3の倍数になるので、当然1111*1212=1212で3の倍数です。

X*1111を満たす(2)の6通りでした。

1212*Yを満たす(3)の6通りでした。

 

確認することは、

*Y の結果が3の倍数かどうか

*1212 の結果が3の倍数かどうか

*1111 の結果が3の倍数かどうか  の3つについてです。

 

まず、簡単なY*1111について調べます。

Y=1111,1122,2112,1221,2211,2222 なので、

Y*1111=1111,1122,2112,1221,2211,2222 となり、

3の倍数となるのは、1122,2112,1221,2211 4通りです。 

 

次に、X*1212について調べます。

X=1122,2112,2211、1221,1212,2121 で、

計算結果は順に1224、2214、2412、1422、1414、2222

となり、Xのうち1212,2121のときは3の倍数になりません。

よって、X=1122、2112、2211、12214通りに限られます。

 

最後に、X*Yについて調べます。

X=1122、2112、2211、1221

Y=1122、2112、1221、2211 

ここで、XよりもYの方が大きい整数という条件があるので、

小さい順に並べてみましょう。

 

X=1122、1221、2112、2211

Y=1122、1221、2112、2211 まったく同じ整数ですね。

  

X*Yについて必要な場合を計算すると(合計6通り)

1122*1221=1242・・・3の倍数

1122*2112=2124・・・3の倍数

1122*2211=2222

1221*2112=2222

1221*2211=2421・・・3の倍数

2112*2211=4212・・・3の倍数

 

以上より、(X,Y)の組み合わせとして成り立つのは、

   (1122、1221)、(1122、2112)、

   (1221、2211)、(2112、2211)

以上の4通り となります。

 

 

 駒場東邦中学の過去問題集は → こちら

 駒場東邦中学の他の問題は → こちら 

 

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