図形の移動 第9問 (開成中学 2007年(平成19年度) 算数受験問題)
問題 (開成中学 2007年 算数受験問題) 難易度★★★★
下の図のような長方形PQRSと角Bが直角である直角三角形
ABCがあります。長方形PQRSのまわりを三角形ABCを次の
ように回転させます。ただし、はじめ点Aは点Pに、点Bは辺PS上
にあるものとします。
① 三角形ABCを点Bを中心に、点Cと点Sに重なるまで時計回り
に回転させます。
② 次に三角形ABCを点Cを中心に、点Aと点Rが重なるまで時計
回りに回転させます。
③ 次に三角形ABCを点Aを中心に、点Bが辺QR上にくるまで
時計回りに回転させます。
(1)この回転を通して、三角形ABCが動いた部分を太線で囲み
図示しなさい。
(2)(1)で図示した太線の長さを答えなさい。ただし、答えは
小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めなさい。
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解答
(1)①、②、③の手順で三角形ABCを回転させると、
図1のようになります。
(2) 図1の各点について、T,U,B’,C’として図2のようにし、
円周のPからTの部分までの部分をⅠ、TからUまでの部分をⅡ、
UからC’までの部分をⅢとします。
三角形RSUは、RS=SU=RU=5cmなので、正三角形です。
ⅡとⅢの長さの求め方が問題になります。
扇形STUと扇形RUC’の中心角をそれぞれ求めるのは難題です。
しかし、両方とも半径5cmなので、中心角の和を求めれば、
Ⅱ、Ⅲの長さの和を求めることができます。
下の図3からわかるように、
角度①+角度②=(360-90)×2=540度です。
ここで、三角形RSUは正三角形だったので、
角SRU+角RSU=120度です。
また、角PST+角B’RC’=90度です。
よって、扇形STUと扇形RUC’の中心角の和
=540-(120+90)=330度 ということがわかります。
よって、太線のそれぞれの部分の長さは、
PS+SR+RB’+B’C’=7+5+4+3=19 (cm)
Ⅰの長さ=4×2×3.14×90/360=2×3.14 (cm)
Ⅱの長さ+Ⅲの長さ=5×2×3.14 × 330/360
=55/6 × 3.14 (cm)
これらを合計すると、
19+(2+55/6)×3.14=19+35.06 ≒ 54.1 (cm)
となります。
動画による三角形の移動の様子は → こちら
開成中学の他の問題は → こちら
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