対角線によって切断される正方形の数 第1問 (大阪星光学院中学 2006年(平成18年度) 算数受験問題)
問題 (大阪星光学院中学 2006年 算数受験問題)
難易度★★★
(1)図1のような、3辺の長さが5cm、12cm、13cmの直角
三角形の中に、1辺の長さが1cmの正方形をすき間なく
並べていくとき、最大で何個の正方形を並べることが
できますか。
(2)3辺の長さが15cm、36cm、39cmの直角三角形の中に
同様に1辺の長さが1cmの正方形をすき間なく並べて
いくとき、最大で何個の正方形を並べることができますか。
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解答
(1)直角三角形の直角の部分に正方形を合わせて、並べていく
方法が、最も正方形をしきつめられます。すなわち、下の図2の
たて12cm、よこ5cmの長方形の中にある、直角三角形ABCの
中に、1辺1cmの正方形が何個あるか、という問題になります。
この正方形の数は、次の式から求められます。
(全正方形の数-ABによって切断される正方形の数)÷2
長方形の中の正方形の数は、5×12=60個です。
では、ABによって切断される正方形の数は、何個でしょうか。
BC:AC=5:12なので、直角三角形の頂点Bから見ると、
直線ABは、よこに1cm進むと、たてに12/5cm(2.4cm)
あがるので、正方形は3個切られます。
よこに2cm進むと、たてに24/5cm(4.8cm)進むので、
下から3個目~5個目が、さらに切られます。
さらに、36/5cm(7.2cm)、48/5cm(9.6cm)と続き、
BからAへ正方形を見ていくと、切断される正方形は、
下の図3のようになります。
よって、切断される正方形の数は、3+3+4+3+3=16個
なので、求める青い部分の個数は、(60-16)÷2=22個
となります。
さて、この「対角線によって切断される正方形の数」には
簡単に数えられる方法があります。
たてAcm、よこBcmの長方形の対角線によって切断される
内部の1辺1cmの正方形の個数は、
A+B-(AとBの最大公約数) に等しくなります。
下の図4は、切断される正方形を色分けしたものです。
黄色い正方形は、長方形のたての長さと等しく12個あります。
オレンジの正方形は、長方形の横の長さより1つ少ない4個です。
対角線が、ある列から、となりの列へ進入していくとき、正方形の
辺と交わります。すると、その辺を共有する2つの正方形を切断
することになります(となり合う黄色とオレンジの正方形が切断)
たてに進むと黄色い正方形が切断されますが、列を移動して
進むと、オレンジの正方形(となりの正方形)が発生します。
いずれ、対角線は正方形の頂点と交わるわけですが、この際は
辺ではないので、オレンジの正方形が発生しません。
正方形の頂点と対角線が交わると、
オレンジの正方形は発生しない
今回は、たて12cm、よこ5cmで、正方形の頂点は長方形の頂点と
一致し、Bからスタートした対角線は、正方形の頂点と1回、頂点Aで
交わるだけなので、オレンジの正方形は1個減り、対角線によって
切断される正方形の個数は、12+5-1=16個 と求められます。
では、この「1個」の意味は、というと、それは「12」と「5」の
最大公約数です。
たとえば、たて24cm、よこ10cmの長方形にすると、
24+(10-2)=32個 の正方形が切断されます。
「2」を引いているのは、(5cm、12cm)×2=(10cm、24cm)
なので、5cm、12cmごとに正方形の頂点に対角線が交わり、
その回数が2回(=10と24の最大公約数)ということです。
ですから、 たてAcm、よこBcmの長方形の対角線によって
切断される内部の1辺1cmの正方形の個数は、
A+B-(AとBの最大公約数) で求めることができます。
(2) (1)の直角三角形の3倍の大きさの直角三角形です。
下の図6のようになります。
青い部分に正方形は22個×3=66個、
また、緑の部分に正方形は5×12×3=180個 並べられるので、
66+180=246個 の正方形を並べることができます。
なお、黄色い部分には正方形が15+36-3=48個 あります。
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