立体図形の体積 第3問 (甲陽学院中学 2009年(平成21年度) 入試算数問題)
問題 (甲陽学院中学 2009年 入試算数問題)
難易度★★★★
表面積900c㎡の直方体があります。この直方体の
たて、よこ、高さをそれぞれ1cmずつ減らすと、表面積は
142c㎡ 減りました。 このとき次の問に答えなさい。
(1)この直方体の、たて、よこ、高さの長さの合計を求めなさい。
(2)この直方体の、たて、よこ、高さをそれぞれ1cm増やすと
体積は何c㎥増えるか求めなさい。
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解答
(1)1cmずつ縮めてみると、ある面(たて×よこの面)の面積は、
(1×たて+1×よこ-1) だけ減ります。
2面あるので、(たて+よこ-1)×2 減ります。
たて×高さの面では、(たて+高さ-1)×2
よこ×高さの面では、(よこ+高さ-1)×2 それぞれ減ります。
減った面積の合計は、
{(たて+よこ-1)+(たて+高さ-1)+(よこ+高さ-1)}×2
={(たて+よこ+高さ)×2-3}×2 で、これが142c㎡ なので
たて+よこ+高さ=(142÷2+3)÷2=37cm です。
<別解-中学生の解き方>
たてA cm、よこB cm、高さC cmとすると、
元の直方体の表面積は、(AB+BC+CA)×2=900
それぞれ1cm短くしたときの表面積は、
{(A-1)(B-1)+(B-1)(C-1)+(C-1)(A-1)}×2=
2×[{AB-(A+B)+1}+{BC-(B+C)+1}
+{(CA-(C+A)+1}]
=元の直方体の表面積-142=2(AB+BC+CA)-142
これを解くと、2{3-2(A+B+C)}=142 で、
A+B+C= 37cm となります。
(2)たて、よこ、高さをそれぞれ1cmずつ増やすと、
どれくらい体積が増えるかを図で描くと、下図のようになります。
黄色い部分は、増えたのが1cmなので、元の直方体の
表面積の半分、すなわち900÷2=450c㎥ です。
さらに、黄色い部分を除くと、
1辺1cmの正方形×(たて+よこ+高さ)+1辺1cmの立方体
=37+1=38c㎥ の部分があります。
よって、増える体積=450+38=488c㎥ と求められます。
<別解-1>
たて+よこ+高さ=37cmとなる直方体を作ります。
たとえば、10cm、10cm、17cmの直方体とします。
これをたて、よこ、高さを1cmずつ増やすと、
たて、よこ、高さは、11cm、11cm、18cmです。
この体積差を計算すると、11×11×18-10×10×17
=2178-1700=488c㎥ です。
本当かどうか、確かめ算として、もう1つ例として、
たて、よこ、高さ=10cm、20cm、7cmの直方体が
たて、よこ、高さ=11cm、21cm、8cmになったとすると、
11×21×8-10×20×7=88×19-1400=488c㎥です。
よって、増える体積は488c㎥ です。
なお、表面積が900という条件を満たさないと、正しい答には
なりません。あせって、2cm、2cm、33cm などとすると、
表面積は(4+66+66)×2=272c㎡ で、条件と違います。
これが1cm増えて、3cm、3cm、34cmとして、体積差を計算
すると、34×3×3-33×2×2=174c㎥ で、間違いです。
数をあてはめて解く場合、条件には気をつけましょう。
<別解-2-中学生の解き方>
たて、よこ、高さがA,B,C からA+1、B+1、C+1
になったとすると、体積差は、
(A+1)(B+1)(C+1)-ABC で、これを展開すると
=AB+BC+CA+A+B+C+1
ここで、
A+B+C=37 、 2×(AB+BC+CA)=900
より、
=450+37+1=488c㎥
となります。
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