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2009年7月31日 (金)

規則性の問題 操作 第2問 (継子立て) (開成中学 2009年 算数入試問題)

問題 (開成中学 2009年 算数入試問題) 難易度★★★★★

 

 1,2,3、・・・ n の数が1つずつ書かれた n 枚のカードを時計

 

回りに数の小さい順に円形に並べます。次の規則にしたがって、

 

カードを1枚ずつ取り除いていくとき、最後に残るカードがどれで

 

あるかを考えます。 

 

 ・ まず、1の書かれたカードを取り除く。

 

 ・ あるカードを取り除いたら、次に、そのカードから時計回りに

 

  数えて2枚目のカードを取り除く。これをカードが1枚だけ残るまで

 

  繰り返す。

 

たとえば、n=13のときは図1のようにカードが取り除かれ、最後に

 

10の書かれたカードが残ります。

 

(×印は取り除いたカードを表します)

 

Pic_0243_2

 

このとき、次の問いに答えなさい。

 

 

 

(1)n=8のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。

 

 

 

(2)n=16のとき、1周目にカードを取り除いた時点で、図2の

 

 ように8枚のカードが残り、次に2の書かれたカードから取り除く

 

 ことになります。もし必要ならばこのことを用いて、n=16のとき

 

 最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。また、n=32 と

 

 n=64のとき、最後に残るカードに書かれた数をそれぞれ答え

 

 なさい。

 

  

 

(3)n=35のとき、1周目に1,3,5の書かれたカードを取り

 

 除いた時点で、残るカードが32枚で、次には7の書かれたカードを

 

 取り除くことになります。もし必要ならばこのことを用いて、

 

 n=35のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。

 

    

 

(4)n=100のとき、1周目に36枚のカードを取り除いた時点で

 

 残るカードは64枚です。もし必要ならばこのことを用いて、n=100

 

 のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。

 

    

 

(5)n=2009のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。 

------------------------------------------------

------------------------------------------------

 

解答

 

 (1)n=8の図を描いてみると、下図のようになります。

 

Pic_0244

 

2周目に 2→6 と取り除かれ、次に4が除かれるので、

 

最後に残るのは「」です。

 

 

 

(2)n=16のとき、図2のように8枚の偶数のカードが残るので

 

これは、次の図のように変換できます。

 

Pic_0245

 

そうです。(1)と同じになります。(1)では、「8」の位置の

 

カードが残ったので、この場合も「8」の位置、すなわち

 

「16」の書かれたカードが残ることになります。

 

よって、答えは「16」です。

 

  

 

また、n=32のときですが、まず1周目に奇数のカードが

 

取り除かれます。すると残ったカードは2,4,6,8、・・・32です。

 

これは、1,2,3、・・・16まで並んでいるのと等しくなります

 

よって、n=16のとき、最後に残るのは「16」でしたので、

 

この「16」に相当するのは「32」です。よって、n=32のとき

 

最後に残るのは「32」のカードです。

 

 

 

次に、n=64のときも、同様に1周目に奇数がすべて取り除かれ

 

2,4,6、・・・64の32枚の偶数のカードが残ります。

 

これはn=32のときと同等に見なせるので、「64」のカードが

 

最後に残ります。

 

   

 

(3)n=35の場合です。 1,3,5を取り除くと32枚残ります。

 

32枚になった時点で、n=32と見なすことができます。

 

Pic_0246

 

次に取り除く「7」を1(スタート)として、n=32のものと考える

 

「32」のカードに相当する場所にあるカードが最後に残ることに

 

なります。よって、n=35のとき最後に残るのは、「」のカード

 

ということがわかります。

 

   

 

(4)n=100のとき、36枚取り除くと64枚になると、問題に

 

ヒントがあります。n=64のとき、最後に残るのは「64」の

 

カードでした。よって、n=100のとき、残りカードが64枚に

 

なった時点での、スタートの数字と、その前の数字を調べれば

 

よいですね。

 

36枚目に取り除くのは、36x2-1=71 のカードで、

 

次に取り除くのは「73」のカードです。すなわち下図のように

 

なります。

 

Pic_0247

 

よって、n=100のとき、最後に取り除くカードは「72」のカード

 

ということがわかります。

 

    

 

(5) n=2009のときを求めます。

 

 (1)、(2)から、n の数を2倍、2倍としていくと、最後に残る

 

カードは、2倍、2倍となることがわかりました。 

 

このことを「2009」という数に利用して解いていきます。

 

    

 

 (4)でn=100のとき、最後に残る数は「72」 ということが

 

わかりました。これを2倍、2倍、・・として2009に近づけます。

 

n=200 のときは 72×2

 

n=400 のときは、72×2×2

 

n=800 のときは、72×2×2×2

 

n=1600 のときは、72×2×2×2×2 =72×16=1152です。

 

 

 

ですから、n=2009のとき、1周目に409枚のカードを取り除くと

 

残るカードは1600枚です。 このことを利用して、最後に残る

 

カードに書かれた数を求めていきます。

 

 

 

 409枚目に取り除くカードは、409×2-1=817 で、次に取り除く

 

カードは819です。これを図にすると下図のようになります。

 

Pic_0248_2

 

819+72×16=818+1152=1970 なので、

 

n=2009のとき、最後に残るのは「1970」のカードとなります。

 

    

 

この問題を時間内に解ける小学生がどれくらいいるのでしょうか・・・

 

        

 

 

 

 【関連問題

 

  規則性の問題 (慶應義塾湘南藤沢中等部 2002年)

 

 

 

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コメント

私は(5)を2009を超えない範囲で2の累乗数に最も近い1024を元に考えました。

2009-1024=985
985枚目に取り除く数字は1969。
この時点でカードの残り枚数が2の10乗=1024枚。
その次に取り除く数字は1971なので、
最後に残る数字はその一つ前の1970。

この問題は高度な考えを用いますが、問題文において考えるための誘導がしっかりなされていますので、比較的早く解答にたどり着くと思います。

投稿: 万打無 | 2010年10月 2日 (土) 14時08分

万打無さま、コメントありがとうございます。

2の累乗から答えにたどり着く方法も
とてもよいと思います。

いろいろな解法で解ける問題は、知識もセンスも
フル活用されるので面白いですよね。

再びこのような問題を紹介できればと思います。

またコメントよろしくお願い致します。

投稿: 桜組 | 2010年10月 4日 (月) 17時34分

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