規則性の問題 操作 第2問 (継子立て) (開成中学 2009年 算数入試問題)
問題 (開成中学 2009年 算数入試問題) 難易度★★★★★
1,2,3、・・・ n の数が1つずつ書かれた n 枚のカードを時計
回りに数の小さい順に円形に並べます。次の規則にしたがって、
カードを1枚ずつ取り除いていくとき、最後に残るカードがどれで
あるかを考えます。
・ まず、1の書かれたカードを取り除く。
・ あるカードを取り除いたら、次に、そのカードから時計回りに
数えて2枚目のカードを取り除く。これをカードが1枚だけ残るまで
繰り返す。
たとえば、n=13のときは図1のようにカードが取り除かれ、最後に
10の書かれたカードが残ります。
(×印は取り除いたカードを表します)
このとき、次の問いに答えなさい。
(1)n=8のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。
(2)n=16のとき、1周目にカードを取り除いた時点で、図2の
ように8枚のカードが残り、次に2の書かれたカードから取り除く
ことになります。もし必要ならばこのことを用いて、n=16のとき
最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。また、n=32 と
n=64のとき、最後に残るカードに書かれた数をそれぞれ答え
なさい。
(3)n=35のとき、1周目に1,3,5の書かれたカードを取り
除いた時点で、残るカードが32枚で、次には7の書かれたカードを
取り除くことになります。もし必要ならばこのことを用いて、
n=35のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。
(4)n=100のとき、1周目に36枚のカードを取り除いた時点で
残るカードは64枚です。もし必要ならばこのことを用いて、n=100
のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。
(5)n=2009のとき、最後に残るカードに書かれた数を答えなさい。
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解答
(1)n=8の図を描いてみると、下図のようになります。
2周目に 2→6 と取り除かれ、次に4が除かれるので、
最後に残るのは「8」です。
(2)n=16のとき、図2のように8枚の偶数のカードが残るので
これは、次の図のように変換できます。
そうです。(1)と同じになります。(1)では、「8」の位置の
カードが残ったので、この場合も「8」の位置、すなわち
「16」の書かれたカードが残ることになります。
よって、答えは「16」です。
また、n=32のときですが、まず1周目に奇数のカードが
取り除かれます。すると残ったカードは2,4,6,8、・・・32です。
これは、1,2,3、・・・16まで並んでいるのと等しくなります。
よって、n=16のとき、最後に残るのは「16」でしたので、
この「16」に相当するのは「32」です。よって、n=32のとき
最後に残るのは「32」のカードです。
次に、n=64のときも、同様に1周目に奇数がすべて取り除かれ
2,4,6、・・・64の32枚の偶数のカードが残ります。
これはn=32のときと同等に見なせるので、「64」のカードが
最後に残ります。
(3)n=35の場合です。 1,3,5を取り除くと32枚残ります。
32枚になった時点で、n=32と見なすことができます。
次に取り除く「7」を1(スタート)として、n=32のものと考えると
「32」のカードに相当する場所にあるカードが最後に残ることに
なります。よって、n=35のとき最後に残るのは、「6」のカード
ということがわかります。
(4)n=100のとき、36枚取り除くと64枚になると、問題に
ヒントがあります。n=64のとき、最後に残るのは「64」の
カードでした。よって、n=100のとき、残りカードが64枚に
なった時点での、スタートの数字と、その前の数字を調べれば
よいですね。
36枚目に取り除くのは、36x2-1=71 のカードで、
次に取り除くのは「73」のカードです。すなわち下図のように
なります。
よって、n=100のとき、最後に取り除くカードは「72」のカード
ということがわかります。
(5) n=2009のときを求めます。
(1)、(2)から、n の数を2倍、2倍としていくと、最後に残る
カードは、2倍、2倍となることがわかりました。
このことを「2009」という数に利用して解いていきます。
(4)でn=100のとき、最後に残る数は「72」 ということが
わかりました。これを2倍、2倍、・・として2009に近づけます。
n=200 のときは 72×2
n=400 のときは、72×2×2
n=800 のときは、72×2×2×2
n=1600 のときは、72×2×2×2×2 =72×16=1152です。
ですから、n=2009のとき、1周目に409枚のカードを取り除くと
残るカードは1600枚です。 このことを利用して、最後に残る
カードに書かれた数を求めていきます。
409枚目に取り除くカードは、409×2-1=817 で、次に取り除く
カードは819です。これを図にすると下図のようになります。
819+72×16=818+1152=1970 なので、
n=2009のとき、最後に残るのは「1970」のカードとなります。
この問題を時間内に解ける小学生がどれくらいいるのでしょうか・・・
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コメント
私は(5)を2009を超えない範囲で2の累乗数に最も近い1024を元に考えました。
2009-1024=985
985枚目に取り除く数字は1969。
この時点でカードの残り枚数が2の10乗=1024枚。
その次に取り除く数字は1971なので、
最後に残る数字はその一つ前の1970。
この問題は高度な考えを用いますが、問題文において考えるための誘導がしっかりなされていますので、比較的早く解答にたどり着くと思います。
投稿: 万打無 | 2010年10月 2日 (土) 14時08分
万打無さま、コメントありがとうございます。
2の累乗から答えにたどり着く方法も
とてもよいと思います。
いろいろな解法で解ける問題は、知識もセンスも
フル活用されるので面白いですよね。
再びこのような問題を紹介できればと思います。
またコメントよろしくお願い致します。
投稿: 桜組 | 2010年10月 4日 (月) 17時34分