立体の体積比 第1問 (開成中学)
問題 (開成中学 算数受験問題) 難易度★★★★
下の図1のような、底面の円の半径が15cmの円錐を、上から
12cmの位置で底面と平行な面で切って、小さい円すいと、
円すい台に切り離したところ、小さい円すいの底面の円の半径は
5cmとなりました。このとき、次の問題に答えなさい。
(1)円すい台の体積は、小さい円すいの何倍になりますか?
(2)小さい円すいに水を満たし、円すい台に19杯注いだとき
円すい台に満たされた水の高さは何cmになりますか?
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解答
(1)小さい円すいと元の円すいの相似比が 1 : 3 なので、
小さい円すいの体積 : 元の円すいの体積
= 1×1×1 : 3×3×3 = 1 : 27
となります。
相似比 と 体積比 の関係については → こちら を参照
円すい台の体積は、元の円すいから小さい円すいの体積を
引いたものなので、
小さい円すいの体積 : 円すい台の体積 = 1 : 27-1 = 1 : 26
とわかります。
よって、円すい台の体積は、小さい円すいの26倍です。
(2)元の円すいの体積は、小さい円すいの体積の27倍なので、
元の円すいには、小さい円すいで27杯の水が入ることになります。
19杯を満たしたとき、下の図2のようになります。
上の「8杯」の部分は、8=2×2×2
元の円すい「27杯」は、27=3×3×3 で、
体積比 が 2×2×2 : 3×3×3 なので、
「8杯」の部分と元の円すいは、下の図3のように、
相似比 2 : 3 であることがわかります。
小さい円すいと元の円すいの相似比が 1 : 3 で、小さい円すい
の高さが12cmなので、元の円すいの高さは、
12×3=36cm ・・・ 図3の③ とわかり、
求める水が満たされた部分の高さは、図3の① の高さで、
36÷3=12cm
と求められます。
開成中学の他の問題は → こちら
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コメント
お恥ずかしいのですが、今、算数に夢中です。子供の中学3年分の教科書で学習中です。円錐のこの問題はとても、私には難しくて、やっと、27-19=8がでて、これが高さを出すのに使えるのかな。と思ったところで、わからなくなりました。水の深さは、相似比2対3で、36÷3=12というところがまさに、理解できないところです。3で割ったのはなぜか、ぜひ、教えてください。
投稿: 博多の昼あんどん | 2012年6月28日 (木) 14時57分
博多の昼あんどんさま、コメントありがとうございます。
古い記事だったので、改めて書き直しました。
いかがでしょうか?
体積比が、2×2×2 : 3×3×3 ということは
相似比が、2 : 3 ということを示します。
相似比が A : B のとき、
面積比は、 A×A : B×B
体積比は、A×A×A : B×B×B
と、それぞれなります。逆もしかりです。
相似比が②:③なので、高さの比も②:③です。
水が入っている部分は、③-②=①の部分です。
元の円すいの高さが③に相当し、36cmなので
水が入っている部分は、36÷③=12cm
となります。
またご不明な点がありましたら、コメント
よろしくお願い致します。
投稿: 桜組 | 2012年6月28日 (木) 18時02分
丁寧で、わかりやすい解説を有難うございます。夜、パソコンを開いて、びっくりいたしました!そして、感動しました!
このところ、夜寝ていても考えていたので、とてもうれしいです!!
相似比で、いろんな情報がとりだせるのですね。いい本を読んだ時のようなさわやかさです。貴重なお時間をとっていただいて、感謝申し上げます。
投稿: 博多の昼あんどん | 2012年6月29日 (金) 15時13分
博多の昼あんどんさま、お役に立ててよかったです。
わかりやすい解説を心がけておりますが、
説明不足なところがございましたら、またご質問
ください。
これからもよろしくお願いいたします。
投稿: 桜組 | 2012年6月29日 (金) 17時35分